新城幸也選手 記者会見 

Cycle*2021 UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース (オンライン記者会見実施日2021/9/24) 

 

 

 

 

 

Q1:2021年9月22日に37歳の誕生日を迎えられました。
そして、世界選手権の開催日9月下旬ないし10月初旬と近いですね。
一番思い出として残っている世界選手権の誕生はいつになりますか?

新城幸也選手(以下A):特にないです。(笑)もう慣れっこです。そして、もう齢を取ることにめでたさは感じないです。そういう齢じゃ(もう)ないですね。

Q2:最初に世界選手権に出場した時の誕生日で覚えていることはありますか?

A:特になにもないですかね。(笑)
今は世界選手権の場所で誕生日を迎えるのが通常となっています。
そして、(他のレースでも)いろいろな所に行っているので、何か特別ということ(記憶)はありません。

Q3:今回の世界選手権のコースの印象はいかがでしょうか。

A:うーん、かなりコースプロフィールと(実際に)走った時とは(印象が)違います。
(コースプロフィールの)高低差表だけ見ると一人で走る分にはそれほどハードではないのですが、そこに195人の選手が参加して、道が細く、コーナーもあり、それから石畳があり、石畳を抜けた坂の先は(道幅が)拡がっていて、もしそこが横風区間になっていたり(したら)・・・。
まぁ、もうどう考えても厳しくなるコースですね。

Q4:そういうコースに日本からは1人で参加です。新城選手としてはゴールがある周回コースに賭ける展開になると考えていますか?

A:いえ、今回の世界選手権のコースは何処でも勝負どころになり得ます。
「フランドリアンサーキット(ルーヴェンの南側に位置する2つ目の周回)」もそうだだし、「フランドリアンサーキット」に入る前もそうだし、ゴール・フィニッシュの15.5キロの周回は、本当にクリテリウムみたいなものなので、どこでもどこかの国がペースを上げれば終わりだし、1チーム8人いる国が、5,6カ国ありますよね。
単純に考えて40人に前で固められたら、他の出場人数の少ない国はどうやって位置取りをすればよいのか?という感じですかね。
なので、今回のレースにおいて、最後の周回まで集団が100人以上いるというのはないと思います。

Q5:新城幸也選手が一番期待している展開どんな展開ですか?

A:特にはないです。落車が起きないこと(が期待すること)です。

Q6:様々な箇所でセレクションが起こる中で、どういう形で新城幸也選手は(集団に)残ろうと考えていますか?

A:できるだけ自分の力を使わないようにして、(集団に)残ることですね。
(展開自体は、実際に)走ってみなければわからないです。
脚を使ってでも前にいた方が良いのか。
それとも、脚をできるだけ使わないようにして、後ろで待って、他の誰かが間を埋めてくれるのを期待するとか。
どうなるかは、現場判断ですね。

Q7:コンディションはいかがですか?

A:ブエルタ・ア・エスパーニャが終わってしっかり休んで、またトレーニングして来ました。
(しかし)レースは全く走っていないので、どうなるかは走ってみないとわからないです。
今回の世界選手権は、長い時間大きな力を出し続けるというよりは、最大のパワーを何回も出すことになると思います。
(そのような今回の世界選手権の特性が)レースを走らずにいたことが良い方向に向かうのか、それともレースを走っていた方が良い方向に向うのかは、走ってみないとわかりません。

Q8:今回の世界選手権は、新城幸也選手が日本人として1人だけの出場です。
本来はもっと若手が上がってくるべきではという意見もあります。
若手が出場枠を勝ち取れないということについて、新城幸也選手は何かご意見はありますか?

A:それは僕からは何も言えないです。
まあ、現在もコロナ禍が続く状況なので、(日本の選手が)エリートもアンダーもUCIポイントを稼ぐのが大変だし、難しい状況だと思います。

Q9:今回ベルギー開催で、ベルギー選手としてレコム・エヴェネプールのように、若くて非常に強い選手も出場します。
新城幸也選手として思うところはありますか?

A:同じ集団にいるのだから、「若い」とか「ベテラン」だとかは関係ないですね。
同じ集団で同じカテゴリーのレースで走っているのだから、年齢は関係ないと思います。

Q10:目標とする順位ありますか?

A:レースはどうなるかわからないです。
アンダーと女子のレースを観て、大体こうなるかな、という想像はつきますけど・・。
でも、エリートに関して言えば、(アンダーや女子と)同じ様にはならないですし。
激しくなるのは目に見えているので、数字というよりは、今年はシーズン前半から素晴らしい大きなレースばかりを走ってきて良いシーズンだったので、(世界選手権は)締めくくりとして、力いっぱい走れたら(良いな)と思います。

Q11:世界選手権は、新しいデュラエースR9200を使われますか?

A:いえ。デュラエースR9100になります。

Q12:既に開催されたU23ですが落車が多いです。ジュニアカテゴリーも落車が多かったです。
(エリートは)平地からナーバスな展開になると思いますか?

A:平坦は大丈夫です。周回に入るところからペースアップすると思います。
他の選手に脚を使わせたいから、(強豪国は)多分ゆっくりとコーナー前に行って、登りに入ったらちょっと踏んで、後ろがアコーディオンみたいになるように、脚を使う展開になると思います。
そうやって地味に前半は脚を使わさせられるかなと思います。
(また)下りながら曲がったりとか結構時限爆弾的な危ない箇所がたくさんあるので・・・。
あとはベルギーの(道路の)作り自体、道が広くなったり狭くなったり、中央分離帯があったり、結構危険な箇所は多いです。
できるだけ、転ばないようにアクシデントに巻き込まれないようにすることが一番だと思いますね。

Q13:昨日試走がありましたが、「フランドリアンサーキット」の方も行かれましたか?

A:はい、どっちも回りました。

Q14:全部で9個の登りがあります。どの登りが一番危険で、勝負が決まる可能性があると思いますか?

A:全体を通して、どこで集団が分かれるかによると思います。
最初の500メートルぐらいの急勾配の「フランドリアンサーキット」の最初の入口で後ろになってしまうと、次下って、次石畳の上りで、吹きさらしでそのまま登りがあって、そして下りながら左に曲がって、またもう一つの石畳になるので、本当に休むところがないですね。
1回良い位置で入れれば、(そのまま)良い位置を確保できるでしょうし、それが正解なのですね。
しかしながら、他の人が(自分を)連れてってくれればよいですけど、自分で風よけをしながら、果たしてその位置をとって、山まで登っても全部越えられるのか・・・。
268.3キロ最後までもつのかが問題なので・・・。
(集団が)壊れるのは「フランドリアンサーキット」で壊れると思います。

というのは、ちょうど2回目の「フランドリアンサーキット」で200キロなんですよね。

なので、なにもなけれ、その前の15キロの周回コースを4周している最後の方からペースが上がっていって、「フランドリアンサーキット」に突っ込んだ瞬間に集団がバラバラになると思います。

Q15:ルーヴェンの「ローカルサーキット」の方では、振り落としはないのでしょうか?

A:完全にあれば、立ち上がりとか、右コーナーで登りが始まった時とか、(集団が)固まって登りが始まるというより。コーナーとかで伸ばされから登りが始まるので・・・。
それも後ろにいたら終わりだし、登り切って、道塞がれて前に出れなかったら、そのまま蓋されて「終わり」ということはあり得ますね。

Q16:今回のコースは獲得標高はそれほど多くないですが、どう思われますか?

A:ひとつひとつの登りは短いんですよ。
しかしながら、それを何回も繰り返さなければならないので、それに耐えられるかですね。

Q17:天候はどうですか?少し微妙な感じですけど。

A:まあ、晴れてくれないとこのコースは「悲惨な」ことになりますね。

Q18:(天候に関して)どういう準備をされていますか?

A:いや、もう、いつも通りですね。
(ただ)このコースはけっこう補給も大事なので、(そして)何回も、もがかなければならないので・・・。
また、(今回は)補給所が変なところにあるので。サコッシュもいつ取るか、早めに取ったほうが良いかもしれないですし・・・。
それらもいろいろ考え中です。

Q19:去年の世界選手権、新城幸也選手は「逃げ」ました。
「逃げるか逃げないか」など(作戦の)練り直しは、レース前にあるのでしょうか?

A:はい。まずリザルトを残すということが大事で、そのためには自分がどうやったら一番成績を残せるかということを考えた上で、毎年挑みます。
去年の場合で言うと、僕は集団にいても残れないと思ったので、僕が成績を出すためには一番キツイことをしなければいけない・・・。
(そして)それは「逃げる」ことだったんですね。
だから、(昨年の世界選手権で)勝負しなかったのではなくて、一番キツイ方法だったけど、「逃げる」ことが最善かなと思ったので、「逃げ」たんです。
まだ決めてませんけど、今年は、アタック合戦が長くなることはないと思うので、逃げない予定ではいますが、もし長くなった場合には、(逃げ集団に)入ることもありなのかなと思います。

Q20:オリンピックも走られて、世界選手権と大きいレースが続きます。モチベーションは維持できていますか?

A:幸いすべてのレースで間が空いたので、そこで一回仕切り直しが出来ました。
なので、ひとつひとつ集中できるかなという風に思います。

Q21:優勝候補は誰になるか、考えたりしますか?

A:すべての人にチャンスがありますね。
もちろん、世界選手権なので、運も必要だし、実力でいうと結構みんな近いし・・・。
レース展開上、20人は勝てる選手がいるんじゃないですか。
こういう展開だと誰というのはありますが、(今回のコースは)展開が一つではないので、いろいろなことがあり得るので、逃げになるのか、スプリントになるのかで、勝つ人が変わってくる・・・。

走るより、テレビで観ている方が絶対おもしろい世界選手権です。(笑)

Q22:スプリンターを(選手として)選んでいる国も多いですが、スプリントでレースが終わる可能性あると思いますか?

A:誰がアタックするのかというと、まず絶対ベルギーが「動かし」て来ますね。
そして、「動かし」てくる相手に他の国もつけなければいけなくて・・・。
結局、みんなが潰し合いをして・・・、

今回のコースは、(集団が)30-40人ぐらいになる可能性がある。
まとまった30-40人の集団の中にスプリンターを連れてゆかないと、アタックだけしても駄目なので・・・。

そして、今のスプリンターは厳しいレースも残っちゃう選手ばかり・・・。(ハハハ)
打たれ強い人たちが多いので、そういうスプリンターを(各国)連れてきてますね。

保険じゃないけれど、各国、動かしてくる国に対してはデフェンスをしながら、最後まとまったらスプリンターにお願いという感じではないでしょうか。

そして、逃げれるスプリンターも多いですし。

(以上)